信頼は些細なことの積み重ね

少しずづ、涼真は変わってきているのかもしれない。
今月に入ってから、そう思うことが増えてきた。

先日。
お互いの仕事が忙しくなる直前に涼真に会った。
私が生理で本調子ではないと伝えると・・・。

「体調悪いのに仕事も大変なの辛いね」

二股をかけているときは「大丈夫?」って言葉こそ発するものの、全然そう思っていないのが伝わってきてた。
今後、この人と付き合っていて大丈夫なんだろうか?
そんな気持ちになったのを思い出した。

その時とは違って、今回の一言には私を慮る気持ちが込められていた。

「心配してくれてありがとう♡涼真優しいね!嬉しい^^」
「まぁね、俺優しいから!」

そういうと涼真は少し誇らしげな顔をして鼻の穴を膨らませた。

********
それから、これはとある日のデート、久しぶりに涼真がうちに泊まった時の話。

「みなみー。みなみーーー。」

部屋に入ってから帰るまで、涼真は常に私にベタベタしたがった。
朝は支度をする私を舐めるように眺める。

「何?」

余裕の笑みで振り返って見せると。

「なんでもない」

なんて言いながら、ずっと「かわいいな」って目をしてこっちを見てくる。
悪くない。
気持ちって伝わるものなんだな。

********
それから、この前、涼真からの連絡が途切れたことがあった。
なんとなく嫌な感じの途切れ方だった。
私に向き合っていないような。

「あ、また浮気してるのかもしれない」

不安に苛まれて、夜にテレビ電話をかける。
浮気してるなら絶対出ないであろう時間帯。
長いコールの後、電話が繋がった。

「どうしたの?」

涼真は外にいた。

「え?なんで外??今どこにいるの?」

極力、疑ってることが伝わらないように言葉を発する。
涼真からは意外な返事が返ってきた。

「キャンプだよ!」

??

あ!そうだった。
今日は涼真が友人とキャンプに行く日。教えられてたのにすっかり忘れていた。
友人と楽しく過ごしている時間帯なのに、急いでテレビ電話に出てくれたことが嬉しかった。

(以前は、数時間後に「ごめん、飲み会で出られなかったー」ってLINEがくるだけだった)

「今日だっけ?忘れてた!邪魔してごめんね、楽しんできて♡」
「いえいえ!何かあったのかと思った笑。みなみと行く時のために、キャンプスキルあげておくね^^」

1つ1つは本当に本当に些細なできごと。
でもその些細な言動に誠意を感じるたびに、信頼していいんだろういう気持ちになれる気がした。

このまま涼真が誠実に接してくれれば、いつか二股のことも薄れていくのかな。
いつか、許せる日がくるのかな。


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