こんばんは。恋に悩めるOL・みなみです。
「結婚への勝負をかけよう」と思っていた矢先に、涼真の浮気が発覚。
ねぇ、私、前世で何かした?
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突然の出来事に、頭は全く働かなかった。
“田中さん”からの返信もない。
ふわふわした思考に反して、心臓の鼓動は鋭さを増す。
これって本当?なんで?どうして?
今まで騙されてたの?
いてもたってもいられず会社を抜け出すと、電話をかけた。
コール音が鳴る。
心臓の鼓動は止まなかった。
「みなみ?どうしたの仕事中に?」
電話の主は驚いたような声をあげる。
「…わーん!百合さーん!!!」
電話の相手は高校時代の悪友・セクシー美女の百合さん。
ここまでの経緯を話すと、百合さんが口を開いた。
「みなみ、落ち着いて」
「電話は相手に録音されてるかもしれないから、慎重に。こっちの情報を渡さない方がいいわ」
録音・・・。正直その考えは浮かばなかった。
私の名前を、インターネットで検索する女の子の姿が脳裏によぎる。
私のSNSアカウントは1つしかないし、すぐには見つからない。
そこそこの執念がないと見つけられないはずだ。
見つけたとき、彼女はどんな表情をしたんだろう。得体の知れなさに恐怖を覚えた。
なおも百合さんは続ける。
「その上でなるべく相手の情報を聞き出すの」
「相手が書いてる個人情報は全て嘘かもしれない。向こうはこっちの本名も会社も全部分かってるんだから、こっちの方が不利よ」
「それから、あとでどう転んでもいいように、涼真の悪口も言わない方がいいわ。…気をつけて」
「…分かった。ありがとう。」
百合さんのアドバイスは、一気に私を冷静にさせた。
百合さんの言うとおりだ。
まだ分からないことが多すぎる。
関係を壊すのは一瞬で簡単。
したたかに、冷静に。
まずは情報を集めて、その上で自分がどうしたいか考えよう。
心臓の鼓動は止んでいた。
電話を切って一呼吸つくと、スマホが震えてSNSに“新着”の赤い丸がついた。
“田中さん”からだった。
「分かりました。8時には家に着くので、その時間でどうですか?」
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持つべきものは、頭の切れる友人です。
「録音されてるかもしれない」って発想は、このときの私には全然なかったので戦慄したのを覚えています。
ブログを読んでる皆さんの身に、こんなことは起こって欲しくありませんが万が一のときのために覚えておきましょう笑
みなみ
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