ひとしきり泣いたら、冷静になれた。
落ち着こう。
勝負はここからだ。
なぜ、捨て身の駆け引きにでたのか?
今一度、目的を思い出す。
私の願いは
「誠実になった涼真に」
「心から愛されて」
「結婚すること」
涼真は前よりも格段に私のことを大切にしている。
誠実さだって感じられる。
でも、私はこれじゃ足りない。
先日、恋バナをした後輩の声が、脳裏をよぎった。
「世界中の女性で一番みなみさんが好きだけど、それより自分の方が好きなんですよ」
その通りだと思う。
そして、涼真が自分よりも私のことを好きにならない限り、私が望む未来はきっと手に入らない。
ここで変われない男だったら、いらない。
涼真が変わるためには、もう一度、私を失うかもしれないという恐怖を味わってもらわないといけない。
涼真にはまだ余裕が感じられる。
「もしかして、本当に別れた?」
向こうがそう思い始めてからが、本番だ。
涼真が別れの決意を固めてもいい。
私にはもう一枚〝切り札〟がある。
***
「切り札は先に見せるな。見せるならさらに奥の手を持て」
幽遊白書の名言ですが(笑)、この時ほどこの言葉が沁みたことはありません。
捨て身の駆け引きもいいのですが、私は奥の手を残した状態で賭けに出ました。
“最後の一手が残ってる”
この事実が私を冷静にさせてくれた気がします。
この一手を打つ前に決着がつけばいいんだけど・・・。
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