すごい映画を見てしまった。
それが最初の私の感想。
刺さりすぎて痛いっていうより、えぐってきて痛い。
映画の全編を通して、何か事件が起こるわけじゃない。
普通に日常を送っていく中で、普通に恋が始まって、普通に恋が終わっていく。
それだけの話。
その”普通”を誰もが経験したことがあるから痛いのかもしれない。
「刺さって痛い、えぐられて痛い、辛い」
とは30代前半女、私の感想。
「痛いのが羨ましいよ。それはお前にとってまだ“生の感覚”ってことだろ?」
とは一緒に行った50代前半男、職場の上司の言葉。
「なんで好きなのに別れなきゃいけなかったんです?話し合えばどうにかならなかったんですかね?」
とは同じく一緒に行った20代前半男、職場の後輩の言葉。
年代も性別もバラバラの3人。
“ときめく映画好き“という共通点で括られた、謎なメンバーで見に行ったけど、今となってはそれでよかったと思う。
恋人と見にいくには、勇気が必要な映画だから。
「あ、私たちの恋って、もう枯れてるじゃん?」
そう気づかせてしまう映画な気がしたから。
別れの背中をそっと押してしまう危険がある映画だから。
あーあ。
何で恋っていつかは枯れていくのかな?
枯れていくから綺麗なのかな。
「花束みたいな恋をした。」
あぁもう、本当に秀逸なタイトルで嫌になる。
花束みたいに1つ1つ、2人の共通点を見つけて、集めて、大事にして。
それでいつか、花束みたいに枯れてしまう。
そんな、どこにでもある恋の話。
あんなに辛かったのに、それを思い出させるのに。
それでもまた恋をしたいと思ってしまう。
不思議な映画でした。
カップルで見る際は、くれぐれもご注意を。
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